紅葉の京都(と滋賀)に行ってきた話

紅葉の京都(と滋賀)に行ってきました。言うまでもなく、紅葉シーズンの京都、特に勤労感謝の日の三連休とその前後の土日は恐ろしい程に混雑します。紅葉で有名な寺院は拝観するまで何時間も行列しなくてはいけないこともあります。また宿も取りづらく、運良く予約が取れたとしても高級ホテルのバカ高い部屋かドミトリーの相部屋か一泊3万のアパホテルかといった事態を覚悟する必要があります。少し前までは隣接都道府県(滋賀、大阪等)に宿を取るのが裏技として有名でしたが、近年のインバウンドの増加やそれに伴う大阪圏の慢性的なホテル不足により、その手法も通用しなくなってきています。

また京都市内の交通機関、特にバスの混雑も相当です。基本的に年中混雑している京都のバスですが、紅葉の時期は特に混雑が酷く、積み残し、混雑のため降りたいバス停で降りられない等といった事態も発生します。

こうした事情を踏まえ、それでも少しでも快適に紅葉の京都を観光しようとすれば、

1.連休と土日を避けて平日に行く

2.バスの利用は極力避けて鉄道(JR・京阪・阪急・叡電嵐電近鉄・地下鉄)+徒歩で行けるところまで行く

3.見どころは洛北、洛西、洛東、洛南、洛中のエリアごとに固まっているため、一日で回るのは一つ、多くても二つのエリアにとどめておく

1については説明の必要がないでしょう。いかな紅葉シーズンの京都といえども、平日はだいぶマシになります。ただそれが簡単にできるなら苦労はないということで、無理な場合には2と3が重要になります。

市バスの一日乗車券は600円と値段も手頃で、普段の京都観光には便利な存在なのですが、紅葉の時期にはおすすめしません。有名エリア(高雄、大原等)が均一区間から外れるのもありますが、渋滞・混雑に巻き込まれて大きく時間をロスする羽目になります。900円で地下鉄も乗れるバス・地下鉄の一日券が、1700円で二日券が購入できるのでかならずそっちを購入しましょう。動きやすさが段違いです。

 

そんなこんなでカプセルホテルを予約して紅葉の京都(と滋賀)に行ってきました。

 

高雄エリア(神護寺西明寺高山寺

京都市内の有名所で最初に紅葉がはじまるエリア。市内中心部より早く、連休前には見頃のピークを迎えます。アクセスはやや不便なため、ここだけで半日程度は必要です。現在台風の影響による通行止め等多し。

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きぬかけの路エリア(仁和寺龍安寺金閣寺

いずれも世界遺産として知名度抜群の寺院ですが、紅葉の時期は東山エリアや嵐山エリアの有名寺院に比してやや影が薄くなりがちかもしれません。特に金閣寺など、元々普段から外国人観光客中心に混雑しているため、あまり「紅葉の混雑!」という感じはしません。夕暮れ時がおすすめ。

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一乗寺・修学院・鷹峰エリア(詩仙堂圓光寺曼殊院赤山禅院蓮華寺・源光庵)

かっては穴場として有名でしたが、インターネットやそうだ京都行こうキャンペーンにより今やただの有名スポットになりつつある洛北の額縁庭園で有名な寺院たち。それでも後述の大手壁サークルたちに比べればまだまだ人出は少ないため、ピーク時を外して朝イチで行けば十分に閑静な雰囲気を味わうことができます。毛氈に座って庭園を味わう一般観光客たちと、それを見つめながら写真撮りたいんだよどいてくれよオーラを無言で発するカメラおじさんたちの火花がある意味一番の見所かもしれません。

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大原エリア(三千院寂光院・宝泉院等)

普段はのどかな山里ですが、紅葉シーズンはこののどかな山里といえども混雑します。ピーク時にはバスの積み残しも発生します。行くなら京都駅ではなく、地下鉄で国際会館駅まで出てからバスに乗るようにしましょう。時間が30分程度は違ってきます。

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瑠璃光院

大手壁サークルその1。近年まで知る人ぞ知る場所という扱いでしたが、その庭園の美しさが主にインターネットで広まったことにより人気に火が付き、今では超人気スポットに。特に紅葉の時期の混雑は殺人的です。純粋な人出という点では清水寺永観堂東福寺の方が上かもしれませんが、元々小規模な寺院であり、多数の観光客が訪れることを想定していないので、完全にキャパオーバーとなっています。拝観は整理券制となっており、何回かに分かれて入場するので、「必ず」朝イチでいって整理券をゲットしましょう。ピーク時はすぐに完売してしまいます。それでも間違いなく数時間の待ち時間は発生しますので、その間の時間を無駄にしないために近隣の洛北エリア(大原、一乗寺等)に行けるようにしておくのがいいでしょう。拝観料も2千円とお高いですが、それだけの価値はあります。

どうしても混雑が嫌という場合は、さらに高い拝観料(7千円)を躊躇なく払える経済力と、事前の抽選に受かる運の良ささえあるなら、特別企画の夜間ライトアップに行けばゆっくりと瑠璃の庭を楽しめるでしょう。

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東福寺

大手壁サークルその2。有名な通天橋から広がる一面のもみじは圧巻です。…ですが事故防止等のため通天橋からの風景は撮影禁止となっています。…ですが実際には多くの観光客が平気で撮影しており、職員も誰もそれを注意しないため、完全に撮影禁止(撮影禁止とは言ってない)状態となっています。まあ三脚とか使わなきゃお目溢しするよということなのでしょうが、日本でもトップクラスの伝統を持つ禅寺にいるのに、こうしていい写真を撮りたい、撮った写真をSNSに上げていいねをもらいたいという煩悩に囚われていいいのか…などと色々考えてしまいますね。

ここもピーク時は行くなら朝イチで。でないと待ち時間で数時間は無駄にしてしまいます。

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泉涌寺エリア(泉涌寺今熊野観音寺等)

東福寺の近隣に位置しますが、東福寺と比較すると人出が恐ろしいくらい少ないのでゆっくり紅葉を楽しみたい人にはおすすめです。

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清水寺

大手壁サークルその3。言わずとしれた超有名寺院。無論紅葉の時期も混雑しますが、敷地が広大で元々のキャパが大きいため、あまり「入場に~時間待ち」という事態にまではなりません。早朝6時から拝観可能ですが、ピーク時にここに朝イチのカードを使う必要はないと思います。

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南禅寺

そうだ京都行こうで取り上げられたことで人気に火がついた天授庵庭園、石川五右衛門が「絶景かな絶景かな」と言ったことで有名な山門からの景色、ブラタモリでも取り上げられた水路閣など数々の有名スポットを擁します。紅葉の時期、次から次に観光バスが訪れて観光客をひっきりなしに降ろしていく光景は壮観です。

 

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永観堂禅林寺

大手壁サークルその4。

「秋はもみじの永観堂」の言葉どおり、境内に広がるもみじの量は圧倒的です。見渡す限り一面のもみじ、もみじ、もみじはまさにもみじの暴力といっても言い過ぎではありません。もみじに殴られてる気分になります。なんだかんだ紅葉シーズンの京都を旅行するのであれば、ここは外せないでしょう。

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哲学の道エリア(哲学の道法然院銀閣寺)

永観堂からは哲学の道をあちこち寄り道しながら銀閣寺までてくてく歩いていきましょう。急げば30分弱で着きますが、せっかくなので周りの紅葉を楽しみながら寄り道しつつのんびり行きましょう。

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嵐山・嵯峨野エリア(渡月橋天龍寺、常寂光寺、二尊院祇王寺大覚寺等)

言わずとしれた嵐山ですが、無論紅葉の時期は非常に混雑します。ピーク時は渡月橋を渡るだけで数十分程度かかることもあります。行くなら早朝に行きましょう。運が良ければ嵐山に霞がかかって、いかにも平安絵巻と言った光景が見られるかもしれません。

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夜間ライトアップ

最初に始めたのは清水寺と言われている寺院のライトアップですが、今では多くの寺院が追随して、桜と紅葉の時期には各所でライトアップが行われるようになっています。ライトの光の色一つまで工夫が凝らされているだけあって非常に景色は綺麗ですが、場所によっては三脚不可だったりするのでカメラガチ勢の人たちには不満かもしれません。

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湖東三山(西明寺金剛輪寺百済寺

京都の影に隠れがちですが、紅葉の時期の滋賀県の名所はおすすめです。もちろんピーク時はそれなりには混雑しますが、外国人観光客が少ないことなどもあり、京都市内の有名どころと比べたらかわいいレベルです。大津(三井寺石山寺)、木之本の鶏足寺等も有名ですが、今回行った湖東エリアの3つの天台宗寺院も、血染めの紅葉と言われるだけあって、非常に綺麗でした。

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こうして振り返ってみてみるとやっぱり紅葉の京都、いいですね。台風で葉が散ってしまい、猛暑の影響で色づきが悪く、ハズレハズレ言われる今年ですら十分楽しめましたから、いわゆる当たり年ならもっと楽しめると思います。

今回行き逃した宇治エリア、金戒光明寺真如堂、岩倉実相院、鞍馬・貴船、阪急沿線の西山エリアなどは次回以降の宿題としたいと思います。次は誰かと来たいですね。

最後に

京都駅の大階段でちょうどクリスマスイルミネーションがはじまっていて、いろんな国、いろんな年代の観光客が楽しそうに写真を撮っていました。もしかしたらそれが今回の旅行で見た一番綺麗な光景だったかもしれません。